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茶道のお稽古を始めるにあたって、揃えるものの一つに扇子があります。
茶道用に作られた扇子は暑い時に涼を取るものとは違います。
以下3つの特徴をお扇子選びの参考になさってください。
- 裏千家では男性6寸(約18センチ) 女性5寸(約15センチ)の物を使います。
- 初めの一本は白竹で作られたものがおすすめです
- 中の絵はお好みで選んで大丈夫です。
それでは、お茶席での扇子の役割とともに詳しく説明していきます。
お扇子は「結界」を表します
お扇子の茶室での大きな役目は「結界」となることです。
茶席に入る時、床の拝見、人とご挨拶をするときなどには自分の前に扇子を置いて、厳然たる境界を作ります。
これには自分の「立場」「居場所」をわきまえる。というとても大事な意味があります。
それぞれが立場をわきまえて初めて、主客が一体になることができ、一座を建立することができます。
客は席入り後は扇子を自席の後ろに置き、自分の居場所を意識します。
亭主は帛紗を腰につけて茶席に入る時には、扇子を水屋に置いておきます。
それには「水屋にも自分の気持ちを残しておく」という意味があると教わりました。
扇子を使う時、「自分の場所」「相手の場所」を意識することで、扇子を通して私たちが何を学んでいるのか、感じ取ることができるのではないでしょうか。
涼を取るものではありません
茶道で使う扇子は儀礼的なものなので開いてあおいではいけません。
開いて使うことはほぼないのですが、中に歴代お家元の花押や茶碗師楽家の歴代の雅印、利休道歌の記されたもの、季節のお花やお菓子の絵のついたもの、などお勉強になることや楽しいものもあるのでお稽古用のものはお好きなものを選んで、お茶室以外の場所で開いて見てお勉強されるのも良いと思います。
ただ、本当に正式な場所で使うもの、お稽古を積んでお家元に伺うことが叶ったような場面では、白竹の中の紙も白の無地のものが良いとされていますので、そのようなものは開いて中を見たりすることも控えましょう。
竹の部分は白竹のもののほか、漆塗りのものなどがありますが、白竹のものが裏千家の正式だとされています。
お稽古ではどちらでも良いとされているところが多いように見受けらますが、最初の一本は白竹を選ばれると無難かと思います。
裏千家では男性用が少し大きくて6寸(約18センチ)、女性用で5寸(約15センチ)と大きさが違うので気をつけましょう。
場面によっては少しだけ開くこともあります
「開くことはあまりない」と申し上げてきた扇子ですが、お礼やご祝儀などをお渡しする際に、少しだけ開いてご祝儀袋をのせてお渡しすることもあります。
ご祝儀などをお渡しする際に、ご祝儀袋より少し大きめのお菓子を「台」として一緒にお渡しすることがありますが、その「台」の役割を扇子がしています。
私は京都で入門しましたが、大学を卒業してからは故郷の福岡でお稽古させていただき、結婚後は東京でお稽古を続けさせていただいております。
福岡の先生にお稽古をつけていただいていた時はお月謝をお扇子に乗せてお渡しさせていただいていました。
東京に来てからは先輩方がされているのに倣って古帛紗に挟んでお渡ししています。
因みに京都ではお月謝提出用の引き出しがあって、そこに入れさせていただくスタイルでした。
お月謝のお渡しの仕方もそれぞれですね。
お渡しするものを畳に直接置いたり、素手でベタベタ触らないことが大切で、そこに扇子が大事な役割をしているのですね。
紙の部分は触らないようにしましょう
扇子を閉じた状態であっても紙の部分は触らないようにします。
手に持つときも親骨と言われる竹の部分を持ちますが、ギュッと握り込まずに親指、人差し指、中指の三指でそっと持つようにし、畳に置くときも親骨部分が畳につくように置きます。
紙をベタベタ触ると手の脂などで汚れます。
これは襖などでも同じことが言えます。
襖や風炉先屏風なども外側の枠のところに手をかけるようにし、紙の部分は触らないようにしましょう。
まとめ
裏千家茶道で使う扇子は涼を取る扇子とは違います。
以下の事をお扇子選びの参考になさってください。
- 裏千家では男性6寸(約18センチ) 女性5寸(約15センチ)の物を使います。
- 初めの一本は白竹で作られたものがおすすめです
- 中の絵はお好みで選んで大丈夫です。
素敵な一本に出会えてより豊かな茶道ライフとなりますよう。
今日もありがとうございました。
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