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「お茶杓を買ってみたけどお手入れの仕方がわからない」
「大事にしようと思うあまり水で洗ってしまった!」そのような方のためにお茶杓のお手入れのポイントを紹介します。
お茶杓には「銘」のついた由緒のあるものと、お稽古用の普段使いのものがありますが、どちらともに共通する基本的なことは以下3点です。
- 水で濡らさない。
- 柔らかい布で軽く拭き清める
- 節より上は手指で触れない。(節がないものであっても中程に節があると仮定して、それより下を持ちます)
お稽古用に売られているお茶杓の扱いはこれだけ気をつけていると十分です。
「銘」がついている由緒あるものを求めた場合は、「書付」のついた筒、さらにその筒を入れる箱がついています。
箱の扱いも重要となってくるので、上記3点に加えて以下の3つがポイントとなってきます。
- 竹筒の書付の部分は大事な場所なので手で触れない
- 書付部分を和紙などで保護して箱に入れる
- 茶を掬う先端部分(櫂先)を持って筒に入れたり、無理に押し込んだりしない。
それでは茶杓の歴史と「銘」のことに触れながらお手入れのポイントを説明していきます
茶杓の歴史
茶杓の源流は中国の薬匙(やくじ)と言われています。
その後に象牙の茶杓が生まれ、利休が最初に竹で茶杓を削って以降は竹の茶杓が主流になりました。
遠州、千家3代の宗旦など、江戸初期になると茶杓に「銘」が付くことが普通となりました。
「銘」とは「名」と違って、単なる名前ではなく来歴などの由緒の概念を含みます。
茶杓の姿から連想されたものがついていたり、縁に因んだもの、季節を表す季語、その時胸に去来するもの、能の曲や禅語から選び取られたもの、歌枕や和歌からとられている物など様々あります。
「銘」を学ぶ
何度も「銘」と申し上げましたが、私自身「銘」を理解するのに随分時間がかかりました。
「お茶人が、今度の茶会で大切な人をどのようにもてなすのか、一生懸命考えながら茶杓を削ったその時に胸に湧き上がるもの」と初歩の時、20歳の私に先生が教えて下さいました。
それが私が「銘」について学んだ入口です。
「銘」は茶杓を削った人の感性や、その人そのものを表したもの、と表現されます。
私は茶杓を削ったことはないのですが、お茶事の時
「どのような季節に、どのような人を招き、どのような時間を共に過ごすのか」を考えてその気持ちに相応しい「銘」のついた茶杓を選ぶ、というのが今の私の精一杯の「銘」の学びです。
お稽古では、稽古道具の茶杓に「銘」をつけますが、「今この時を分かち合う」ことを表現し「銘」を言うことが鍛錬になると思います。
茶杓は水で濡らさない
歴史と銘に軽く触れたところで茶杓の手入れに戻ります。
茶杓は竹でできていますので水には濡らさず、乾いた布で優しく拭き清めます。
中程に節があるものが多いですが、節のところや節より上のお茶が触れる部分は手で触れないようにして下さい。
節がない物であっても中程より上を手で触らないようにします。
箱の扱いも慎重に
「銘」のついた茶杓には「共筒」と言われる竹の筒がついており、作者の署名や銘が書かれています。
この書付の部分は汚れないように、さらには「敬意を払う」と言う意味においても手で触れないようにします。
竹は自然の物なので長い年月保管していると、縮んだり変形したりすることがありますが、無理に茶杓を押し込んだり、「櫂先」(先端部分)を持って押し込んだりせずに、節より下を持って筒に収めるよう気をつけて下さい。
さらに、筒を収める箱がついていますが、筒の書付の部分を和紙などで包んでから箱に収めると良いと思います。
まとめ
お茶杓のお手入れで気を付けるポイントは
- 水で濡らさない。
- 柔らかい布で軽く拭き清める
- 節より上は手指で触れない。(節がないものであっても中程に節があると仮定して、それより下を持ちます)
さらに箱書きのあるものは、上記3つに加えて
- 竹筒の書付の部分は大事な場所なので手で触れない
- 書付部分を和紙などで保護して箱に入れる
- 茶を掬う先端部分(櫂先)を持って筒に入れたり、無理に押し込んだりしない。
以上です。
素敵なお茶杓に出会って、お稽古がより豊かになりますように。
今日もありがとうございました!
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